慢性疾患管理

 慢性疾患は、人生そのものといっても過言ではありません。医療の進歩、生活習慣の変化等により、長期にわたっての管理を必要とする慢性疾患を有する人の割合が増加してきました。

 慢性疾患は、薬物治療に加え、何よりも、食事や生活の管理といった日常生活のマネジメントが必要になってきます。そして、疾患特有のケア(フットケアやリハビリテーションなど)も発生します。これらを適切に実施するには、知識と技術が必要となります。

 私たちは、何年もかけて学校に通い、多くの知識を得てきました。病気の管理も同じです。加えて、生活習慣を修正し、新しい習慣を身に着けるのには時間がかかります。家事や仕事、子育てもあり、この多忙な生活の中にどのようにこの管理法を組み込んでいくか、にはとても工夫が必要です。そして、人生、さまざまな出来事が起こります。愛する人の病気や死、離別、子どもの受験や仕事のストレス。このようなことに、培ってきた新しい習慣はいとも簡単に崩れ、また、心身ともに立て直すのに月日を要します。

 病気を管理することの苛立ち、つらさ、落ち込み、そんな感情にも付き合っていかなければなりません。

 家族や周囲の人々にも介護や食事療法の実施、医療費など、負担もかかってきます。家族が必要性と療養支援の技術をマスターし、日常生活が押しつぶされることなく、みなが病気をもった家族員の方を向いて力を合わせて生きていける、こんなケアシステムを構築したいと考えます。

 私たちは、慢性疾患の重症化や再発を予防し、また、人々が幸せに過ごせるよう、その高度な支援技術を開発し、学び、実践していきます。

 看護は科学であり、アートです。人々の人生そのものを支えていく仕事でもあります。

  1. 人は、自分を信じ、支えてくれる人のために、良くなろうとする。
  2. 人は、自分が良くなることを喜んでくれる人がいるからこそ、治そうとする。
  3. 人は、自分を超えたもの、過去に生きた人々や社会とのつながりを見出し、自分の存在をどこかに位置付けることができたときに、生と向き合おうとする。

慢性疾患自己管理支援プログラム

1.2型糖尿病/血糖コントロール 自己管理支援プログラム(6ヶ月バージョン)

このテキストは、平成16年度科学研究費補助金(基盤研究B(2))「糖尿病疾病管理のアセスメントアルゴリズムとリスク特性に応じた介入プログラムの開発」(主任研究者:森山美知子(広島大学大学院 保健学研究科))の研究グループが、米国における糖尿病発症予防大規模研究DPP(The Diabetes Prevention Program)に使用されたテキストを一部参考にして作成したものです。

研究グループメンバー 黒江 ゆり子 (岐阜県立看護大学看護学部教授)
長谷川 友紀 (東邦大学医学部教授)
任 和子 (現 京都大学医学部附属病院副看護部長)
森川 浩子 (福井医科大学医学部講師)
高見 知世子 (現 滋賀医科大学医学部附属病院看護部)

2.2型糖尿病/血糖コントロール 自己管理支援プログラム(1年バージョン)

このテキストは、平成17年度科学研究費補助金(基盤研究B(2))「糖尿病疾病管理のアセスメントアルゴリズムとリスク特性に応じた介入プログラムの開発」(主任研究者:森山美知子(広島大学大学院 保健学研究科))の研究グループが、米国における糖尿病発症予防大規模研究DPP(The Diabetes Prevention Program)に使用されたテキストを一部参考にして作成したものです。

研究グループメンバー 黒江 ゆり子 (岐阜県立看護大学看護学部教授)
長谷川 友紀 (東邦大学医学部教授)
任 和子 (現 京都大学医学部附属病院副看護部長)
森川 浩子 (福井医科大学医学部講師)
高見 知世子 (現 滋賀医科大学医学部附属病院看護部)

3.虚血性心疾患 自己管理支援プログラム

このテキストは、平成16年度科学研究費補助金(基盤研究B(2))「糖尿病疾病管理のアセスメントアルゴリズムとリスク特性に応じた介入プログラムの開発」(主任研究者:森山美知子(広島大学大学院保健学研究科))の研究グループが、米国における糖尿病発症予防大規模研究DPP (The Diabetes Prevention Program)に使用されたテキストを一部参考にして作成したプログラムを心筋梗塞後用に改変したものです。

作成者 森山 美知子 (広島大学大学院保健学研究科)
柘植 尚子 (元 HCCヘルスケアコミッティ株式会社)

4.慢性心不全 自己管理支援プログラム

この教育プログラムは知識提供を主目的として作成されたものです。

作成者 大津 美香 (青森県立保健大学健康科学部看護学科)
森山 美知子 (広島大学大学院保健学研究科)

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